もの書きのてびきお知らせ

stoneのダークモードができました。

リリースから1年(と2ヶ月、お待たせしてすみません)、stoneの少し大きめなアップデートを行いました。

お待たせしました。stoneがバージョン1.0.5から数ヶ月の期間をかけて、ひとまわり(1.1)大きくバージョンアップすることができました。このアップデートで何が変わったかと言うと…

1. macOS10.14のダークモードに対応。
2. プログラム全体の見直し・再構築により、パフォーマンスと今後のメンテナンス性能が向上。
3. 作業中のファイルの自動保存/バックアップ機能で強制終了時にも安心。

大きくはこの3つです。あとは細かな挙動や不具合の修正、(誰も気づかないような)デザインに使用されている要素のブラッシュアップなどがあります。使用できるファイルフォーマットがプレーンテキスト(.txt)のみで文字に装飾ができないこと、書式設定の少なさや、ページの概念がないことは変わっていません。

1. macOS10.14のダークモードに対応

macOS10.14から追加された画面を暗くする機能「ダークモード」にstoneも対応しました。明暗が反転した状態で文章を書けるものです。

さて、stoneの文字と背景の色は黒でも白でもない、わずかに青みをもった色を設定していました。「素直にその色を入れ替えればstoneらしいダークモードになる」と思っていましたが、いざ文字に使っていた濃色を背景として全面にひいてみると、やや青みを感じすぎてしまい、ニュートラルな印象がなくなっていました。
次にmacOS標準のダークモードの色を採用してみましたが、これは色味のないピュアなグレーで、stoneにとっては事務的な印象が強くなってしまい、「書く気分を高める」というコンセプトに反していました。
簡単にはいかないものですね。結局、その間を探るような色の組み合わせをいくつも出し、私たちの感覚で調整していきました。今の色が出てきた際にデザイナー陣が「これはstoneらしい!」という一致した感覚を感じたのですが、この辺りは感覚に留めず言語化していきたいです。

macOSのウィンドウと並べるとこんな感じです。

テキスト選択時の反転ももちろんstoneらしく。

2. パフォーマンスの向上

stoneのプログラムに関しては社外のエンジニアの方と一緒に作っていますが、今回のバージョンアップで、内部的な構造を全面的に見直してもらいました。パフォーマンスに関しては使われる方の環境に依存するので一概には言えないのですが、体感として向上しているかと思います。(当社比)

ちなみに、stoneは全文に対しての文字組や、見切れてしまう行を非表示にする処理などが文字を打つたびに行われているので、他のエディタに比べるとどうしても遅くなってしまうのですが、今回、プログラムの整理整頓も行うことで、今後のメンテナンスのしやすさもよくなりました。(iOSへの展開もしやすくなったそうなので、リソースさえ確保できれば作りたいですね… 人手も常にゆるく募集しています

3. 自動保存で強制終了時にも安心

今回のアップデートで安定性も改善したと思いますが、やはりこれも環境に依存してしまう部分が多く、皆さんにもご不便をおかけしていたかと思います。できる限りですがその不安を拭うべく、今回、バックアップ機能を追加しました。未保存ファイルがある状態で強制終了されてしまった場合でも、再度、stoneを立ち上げた際に復元されるようになりました。

macOSが提供しているバックアップ機能を使っています。(Autosave Informationというフォルダに保存されるよう。)3〜5秒毎に自動保存・バックアップされるようなので、場合によっては古い状態での復元など、正しく復元されない場合も起きてしまうようですが、今後のアップデートで保存のタイミングの精度を高めてまいります。

今後の予定

目には見えないプログラム部分の改修でかなり時間がかかってしまいましたが、前述した通り今後のアップデートがしやすい状態になりました。今後のアップデートの予定としては、引き続きパフォーマンスや不具合改修を行いつつ、原稿用紙モードといったような文字組の設定の追加や、MacBookのTouch Barへの機能追加、以前インタビューに答えていただいた千葉雅也さんも所望していたタイプライターモードの導入などを検討していきます。

それでは引き続き2019年もstoneをよろしくお願いします。
(デザイナー Y)

p.s.
stone paper vol.2もまもなく発売予定です。